基本的には木造在来軸組構法になります。
無垢の木材を使って大工さんに組み上げてもらいます。金物も併用しますが、伝統的な継手・仕口で木を組むことで木の強さをできるだけ活かしたいと考えています。そのためには手刻みのできる大工さんの存在は欠かせません。(それでも時間とともに無垢の木は動いたり収縮したりするので多少すき間があいたり割れたりします。)

柱や梁の大きさ、耐力壁の位置など主構造は構造設計事務所に計算をしてもらいバランスよく決めていきます。目標値は建築基準法というよりは実状に近い住宅重量や積雪荷重を考慮したものとします。
そして木材の仕口継ぎ手を刻むことを考慮し120mm角の柱、120mm幅の梁を採用していますが、骨太の構造材になるため「大壁」ではなく「真壁」という構造材が室内に見えてくるつくりをおすすめしています。木の調湿機能も活かされますし、木自体も長持ちします。職人さんに丁寧に組み上げられた木組みを見えるままにしておきたいという思いもあります。

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関東から来た私達は当初北海道の高断熱高気密住宅のレベルの高さには驚きましたが、最近はそのレベルが当たり前になってきました。エネルギー源の状況は変わるので情報を得ながら、その都度最適な案を検討したいと思います。
真壁の家というのは構造材で壁面がとぎれるため気密のとりにくい(手間がかかる)面がありますし、無垢の構造材も暴れたり反ったりするので集成材に比べると丁寧な施工が必要になります。「木の家」の良さを活かすことと断熱気密をとることを、バランスよくとりいれたいと考えています。

当事務所の北海道仕様例(2021年)

・屋根断熱 約30cm
・外壁通気
・外壁断熱 約9cm+9cm
・樹脂サッシ又は木製サッシ(トリプルガラス)
・基礎断熱(約10cm)
・布基礎(凍結深度までいれる)
・外皮平均熱貫流率UA値 0.46以下